WW2航空機の性能:WarbirdPerformanceBlog

第二次大戦中の日本軍航空機を中心に、その性能を探ります。

タグ:97式重爆

はじめに
 みなさんご無沙汰しております。前回の記事で一か月に一度は更新したいと書いておきながら、できなかった愚か者です。2回のワクチン接種が完了したので早速遠征して資料の収集をしたいと思っていたのですが、東京はじめ各地で感染が拡大し、思うように動けませんでした。
 さて、今回は100式輸送機(MC-20)の性能を共有したいと思います。「丸」9月号が97式重爆でしたのでそれに便乗して、派生型である100式輸送機にしました。「丸」の本文中にMC-20の取説は戦時中に市販されていたという記述があったかと思いますが、現在古本屋で2万円ぐらいで売ってますので興味のある方は買ってみてはいかがでしょうか。
 ちなみに私はその市販の取説は持っていないのですが中華航空用の取説を所持していますので、今回はそれをそっくりそのまま利用しようと思います(手抜き?)。


『三菱式MC20型旅客機 取扱説明書』中華航空株式会社 技術部 昭和15年11月より
扉ページ
1
主要諸元
主要諸元1
主要諸元2
主要諸元3
主要諸元4

性能
性能1
性能2
性能3
 ちなみにこれはいわゆる一型の性能です。発動機をハ102に換装した二型の性能は、陸軍航本技術部の資料によると全備重量は9200kg、最高速度は474km/h@5470mとのことです。



 短いですが、今回は以上になります。台風も近づいているようですので、皆さんもどうぞお気を付けください。
 ここでひとつトリビアを。熱帯低気圧が台風になるかどうかは、実は中心気圧ではなく風速で決まります。すなわち、最大風速が約17メートル(34ノット)以上の熱帯低気圧が台風となるのです。今回の「丸」9月号のAT機の記事で、要求事項を風速40メートルでの横風着陸と書いてありますが、そんなのは現代の技術をもってしても不可能でしょう。40キロメートルの誤りですね(笑)

『「キ四十九」ト現用重爆撃機トノ性能比較』昭和15年8月 より
from "Performance Comparison of Ki-49 and heavy bombers in service" Aug/1940

九七式重爆撃機一型(Ki-21I)
   高度    最高速度      上昇力
   (Alt.)   (Max. speed)  (Climb. time)
   1000m   389km/h     2'59"
   2000m   407km/h     5'24"
   3000m   425km/h     7'38"
   4000m   432km/h     10'22"
   5000m   426km/h     13'55"
   6000m   409km/h     18'30"
   7000m   380km/h
上昇限度(ceiling)  実用8600m 理論9100m


九七式重爆撃機二型(Ki-21II)
   高度    最高速度      上昇力
   (Alt.)   (Max. speed)  (Climb. time)
   1000m   415km/h     2'25"
   2000m   441km/h     4'45"
   3000m   462km/h     7'02"
   4000m   461km/h     9'07"
   5000m   474km/h     11'12"
   6000m   467km/h     13'34"
   7000m   459km/h     16'48"
   8000m   449km/h     20'51"
上昇限度(ceiling)  実用10670m 理論11000m


ソース(source)   『「キ四十九」ト現用重爆撃機トノ性能比較』防衛研究所蔵
          陸空-中央全般-124 『陸軍機の制式決定時史料(3/3)』内
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