防衛研究所にある資料『陸空-中央教育補充-26:常陸陸軍飛行部隊 中原常信少尉ノート』内に興味深いメモがあったので紹介します。
 「疾風」の100kgまたは250kgを2発搭載時及び爆弾投棄後の高度1000m、2000m、3000mでの水平最大速度を表していると考えられます。エンジンの運転条件は毎分2900回転、ブーストは+250となっているのでハ45-21ではなくハ45-10系列のエンジンでの性能と思われます。実測数値かどうかは不明ですが、計器速度ではなく真速度となっています。

                1000m  2000m  3000m
100kg*2  504  517  523
250kg*2  474  490  500
 投    棄   517  543  582

 やはり爆弾の空気抵抗というのは相当大きいのでしょう。高度3000mでは80km/h近い速度差が生じています。一方で低高度であれば速度差は比較的小さいようですが。
 それにしても爆撃機の爆弾倉は重要なんだと感じさせます。逆に爆弾を無理くり装備させられた零戦21型なんかは速度も大きく低下するし、重量増で機動性も奪われるし、防弾は何もないしで、敵にとっては良い的だったのだろうと思います。